ホエールウォッチング

 久しぶりにホエールウォッチングに出かけた。根室海峡は風弱く、波も穏やかで暖かな航海だった。
アジサシが来ていた。船長によれば今季初認とのことだった。
リスト
  鳥類: アジサシ
  オオセグロカモメ
  フルマカモメ
  トウゾクカモメ
  ウトウ
  アカアシミズナギドリ
  ハイイロミズナギドリ
  ウミウ
 
 ほ乳類: イシイルカ
ツチクジラ
※マッコウクジラの鳴音は無し
     (半径10km程度;ハイドロフォンによる確認)Dsc_8299t
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自然観察会

 羅臼町内の幼稚園教諭を中心にしたサークルの研修会で自然観察会を行った。
 二時間足らずの時間だが、エゾタチツボスミレ、ヒメイチゲ、ハルザキヤバガラシなどの花、ミミコウモリ、オオハンゴンソウ、ヨブスマソウなどの葉、ケヤマハンノキ、ダケカンバ、イタヤカエデなど植物を中心に、エゾオオマルハナバチやアカマルハナバチ、エゾスジグロなどの昆虫、さらにはクマの糞などのフィールドサインを観察した。
 最後に川向かいの遠くの斜面にヒグマの姿も見られ、充実した観察会となった。

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紋別市沖海鳥調査

 朝、6時集合だったから前日、ウトロでの会議プラス懇親会の予定をこなしてから行くのは、ちょっと抵抗を感じた。

 しかし、宴会を一次会で切り上げ、ホテルの部屋に戻ってベッドに入ったは9時。午前2時30分にセットしたアラームで目覚め(本当はその前に目が覚めた)3時少し前にホテルを出る。まだ暗かったが少し走るうちに徐々に明るくなってきた。
 この朝の空気に中を走っていると、
「よし、紋別まで走るぞ」という気持ちが高まってくる。夜明けは気持ちが良い。特に、今頃の季節は。
 朝陽は北浜の海岸を走っているとき、水平線から顔を出した。さらに走り続け、紋別市内に入ったのは5時。予想以上に早く着いた。コンビニを探して朝食とお昼用の予備食を買い、集合場所のガリンコステーションへ。荷物と服装を整えて待った。
 能取湖から常呂付近までは晴天だったのだが、浜佐呂間を過ぎた辺りから濃い霧がたちこめいて、紋別市内も霧の中。海も当然霧。「霧の魔女の呪い」はまだ続いているのか、というイヤ感じを覚えた。

 やがて20名あまりの人々が集まってきて、ガリンコ号は7時に出航した。実は、この船に乗るのは初めてだった。流氷観光で有名なのだが、紋別まではなかなか遠く、冬にここまで来る、というのはちょっと気合いが要る。そんなわけで、気になる存在ではあったけれど、乗る機会がなかった。思いがけない形で乗船させてもらえるとは、うれしい限りだ。
 参加者は「調査する人」と「単にバードウォッチングする人」に分かれているらしかった。「調査の人」はさらに二班に分けられる。右舷の班と左舷の班だ。ガリンコ号は幅が広く、調査ブリッジの両側のデッキで観察することになるため、両舷のコミュニケーションがほとんどとれない。したがって、完全に二つの班に分かれることが必要だ。海鳥の識別にあまり自信のない僕は記録係を志願した。
 船は、定刻に出航したが、霧が深く、紋別港外に出たことすら船長さんに教えてもらって初めてわかったほどだ。
 港内の堤防にオジロワシが一羽とまっていた。さっそく記録。

 航路は次の通りだ。海岸線から1マイルの距離をたもって、コムケ湖の湖口まで進む。そこで左へ90度進路を変えて海岸線から直角に8マイル進む。その地点から反転し、紋別港へ直接戻ってくるのである。つまり直角三角形の縁を進むことになる。
 速力は10ノット。ガリンコ号は、舳先に巨大な砕氷用のドリルを二本も抱えていて水の抵抗を強く受けそうな船形でありながら意外に速い。昔、北極海で乗ったロシアの動力付き艀(はしけ)なんかよりはるかに軽快に素早く動く。日本の技術力はこんな所にもいかんなく発揮されている、と感心した。

 コムケ湖湖口から沖に向かい始めて2マイルくらい進んだだろうか。突然、霧が晴れてきた。そして、その時に合わせたように行く手におびただしい数の鳥群れが現れた。根室海峡でもなじみ深いハシボソミズナギドリだ。この時の群れは推定で1万超。周辺にも同じような群れがいるだろうからこの海域だけで数万のハシボソミズナギドリがいることになる。目の前にいるその大群は、さかんに餌を採っている。想像を絶する量のオキアミがいるのだろう。中には、腹がはち切れそうにふくらみ、満足に飛び立てないような個体もいる。

 こんな海にはミンククジラがきていることが多いんだよなあ、と考えていると400mくらい遠くで白い波がピカリと光った。瞬間であったが、クジラがダイビングしたときの波だ、と感じた。隣にいた識別担当のCさんも同じように感じたらしい。この時点で、僕たち二人はミンククジラの存在を確信した。
 案の定その数分後、根室海峡で見慣れた鍵型の小さな背びれをしたミンククジラが数頭現れたではないか。

 実に久々に間近で見るクジラの姿だった。ガリンコ号はしばらくそこに留まり、乗客は皆、クジラの姿を堪能できた。

 人間とはゲンキンなものだ。今日の参加をあれほど逡巡してことなどすっかり忘れて、クホクしながら船を下りる僕自身を見ていて、つくづくそう考えた。

 ◎確認した種(個人用野張写し)◎
オオセグロカモメ、ウミネコ、ウトウ、ケイマフリ、ウミウ、ヒメウ、アビ、ハシジロアビ、ウミスズメsp、アカエリヒレアシシギ、フルマカモメ(褐色型、白色型)、ウミアイサ、ハシボソミズナギドリ、オジロワシ、トビ、キセキレイ、ハシブトガラス

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セイヨウオオマルハナバチバスターズへの危惧

 今朝、ニワトリに餌を運んでいるとき、一頭のマルハナバチが飛び回っていた。明らかにセイヨウオオマルハナバチと違う種類なのだがよく見ると腹部末端(要するに「お尻」に見える部分)が白色なのだ。捕獲して調べてみるとアカマルハナバチの女王だった。このハチは腹部の最末端節だけが白い点、「白い」といっても黒い地肌が目立つほど体毛の密度が高くない点、などの特徴でセイヨウとは容易に区別がつく。
 だが、区別がつけられるのは昆虫の識別にある程度習熟した人ではないだろうか、とふと考えた。
 昼、ビジターセンターでこのことを話し合ったが、実際にアカマルハナバチを「お尻が白いから」セイヨウオオマルハナバチかと思った」という誤捕獲の事例もあったようだ。 慣れてしまえば識別は簡単なのだが、今まで昆虫との付き合いが薄かった人々にとっては、昆虫の特徴を読み取るときのコツを飲み込むまで一定の時間がかかると思われる。万が一、そのような状態のまま「セイヨウオオマルハナバチ バスターズ」などという腕章を着けて網を振り回したとしたら、恐ろしいことになってしまう。この活動に僕が感じる危惧の一つがここにある。
 もちろん、これを機会に昆虫の世界に親しんで、関心をもってくれる人が少しでも増えればそれは望ましいことだ。これまでの「虫好き」は、やたらに標本を集めたがるコレクターや、カブトムシやクワガタなど一部の「カッコイイ」虫にしか興味を持たない人が多かった。ナチュラリストとしての虫好き、つまり「虫めずる姫君」や「むしめずるおの子」がもっともっと出現してほしいものであるから。Dsc_0015ts
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セイヨウオオマルハナバチ捕獲 その3

 午前中誠諦寺でセイヨウ捕獲、6頭捕獲。昨日と合わせて9頭。すべて女王だった。捕り逃がした個体3頭。そうとうな数のセイヨウオオマルハナバチが飛び回っているようだ。
 午後から気温が15℃を超えた。そのせいか、エゾオオマルハナバチが急激に増えて、「セイヨウ」の目撃自体がほとんどなくなった。

 午後、別海へ移動し標本を作る予定だ。

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セイヨウオオマルハナバチ

 二つ玉低気圧が寒気を呼び込み、午後から気温が急速に低下。
 午前中の気温は、ほぼ平年並みだったのだろう。授業で学校を出て海岸に沿って町を歩き、お寺に着いた時は五分咲きのエゾヤマザクラにハチが群がっている、のどかな情景がそこにあった。

 よく見るとセイヨウオオマルハナバチだった。日本には分布していないハチだ。ハウス栽培のトマトなどの受粉のためにヨーロッパから導入された。ところがハウスから逃げ出した女王が繁殖して今は、北海道中に広がって問題になっている。同じニッチェ(生態的地位)にいる在来の他のマルハナバチの生存を危うくしている。

6月にこのハチについてのレクチャーを頼まれているので、捕獲したり写真を撮ったりしようと思った。しかし、その時は、生徒を連れて授業をしていたので、その場は一旦引きあげ、昼食後に出直すことにした。
 一時間後、網を持ってその現場に向かった。ところが、あれほどたくさんサクラに群がっていたハチが一頭もいない。お寺の境内はシンとしている。そういえばさっきより肌寒い。あらためて温度計を見ると9.7℃。虫が活動できる気温ではない。たった一時間の間にガラリと変わるのが虫の世界だ。
 「いくら張り切っても、自然のルールにはかなわないよ」という声がどこからか聞こえてくるような午後だった。Photo

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ハクチョウの飛行訓練

 ハクチョウが飛び始めた。
 風蓮湖に近い僕の家は、オオハクチョウの飛行コースの下にある。彼らは、飛行中、独特の声で鳴き交わしている。朝、外に出るとまずその声が聞こえてくる。それから空を仰いで待っていると数十羽の群れが、V字形にきれいに並んで飛んでくる。
 時には、十メートルあるかないかの低空を通過していく。そんな時は、ギシギシギシギシと風切り羽がこすれ合う音も聞こえる。今日の午前中は、そんな群れが5~6グループ飛び去っていった。
本格的な渡りは、もう少し先のことだろう。今は、訓練飛行、慣熟飛行の段階だと思う。しかし、今年の渡りは早いと言われている。ハクチョウたちの訓練もいつも以上に気合いが入っているように感じる。

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シマフクロウのヒト

 北海道東部にはシマフクロウというフクロウが住んでいる。
 個体数を減らし、もう百数十羽しか残っていない。
 「特別天然記念物」と言って大威張りしているあのタンチョウでさえ生息数1000羽を超えた、と言われている。それよりずっと少ないのだ。
「少ないのだ」などと言って威張っておられないのだ。大変なことなのだ。何か全面的に「のだ」が続いているのだけれども、このシマフクロウを守って、増やしていこう、という人々が道東には何人かいる。
 もっとも古くからたった一人で取り組んできた根室市のYさんを知っている人は少なくないし、シマフクロウを語るときに絶対に外されない情熱と業績を持った方だが、実はそれ以外にも「シマフクロウのヒト」はいるのである。
 その一人に僕の友人のSさんがいる。彼は、世界を股にかけて報道関係の華々しい仕事をしていたのだが、それを捨てて、シマフクロウの保護に後半生を捧げている。そして、昨年、「シマフクロウエイド」というNPOを立ち上げ、組織的に持続可能な形でシマフクロウの保護増殖活動を展開しようとしている。
 僕も、ほんの少しだけその活動をお手伝いさせて頂いているのが、お金も無い、人手も無い、後継者もまだ無い、という厳しい状態の中で巣箱を掛け、生息場所で給餌を行い、自分の財産と労働力のすべてをなげうって保護活動をしている姿には頭が下がる。
 少しでも多くの人にその活動の実態を知って欲しいものだと思う。
 というわけで、そのHPのURLを載せるので是非、のぞいてみて頂きたい。
http://homepage3.nifty.com/fish-owlaid/

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発電用風車がオジロワシを殺した!

 携帯用の箸を持ち歩いていると、よく
「エコですか?」と声をかけられる。正直なところこのように見られると照れて戸惑ってしまう。なぜなら、自分の使う割箸1膳くらいで、森林が救えるとか温暖化が防げるとか思い込めるほど僕はお人好しじゃないし、そんな大それた理由で持ち歩いているワケじゃないからだ。自分で使う食器のうち、簡単に持ち歩けるものを一つくらい歩いてもいいじゃないか、と思う。それに今はチタンなど優れた素材の箸があって、ちょっとオシャレでもある。

 それよりもまず、「エコ」という言葉の軽さに戸惑う。どうやら環境問題に関心を持ち、環境保護に貢献することを「エコ」というらしい。同時に「地球にやさしい」とか「環境にやさしい」という表現もつきまとってくる。どこの世界に「やさしい」という形容詞を自分に対して使う者がいるだろうか。「僕は女にやさしいヨ」などと言う奴が信用できるワケがない。話が逸れたけど「エコ」とは「エコロジー」のことで、そもそもは「生態学」のことだ。それが拡大して、生態学的な知見を反映しようとする文化的・社会的・経済的な思想や行動に使われるようになったのだろう。だから、厳密に言えば「Ecology movement」などの英語から来ているわけで、もちろん間違っているわけではない。

 だが、どこか安っぽい底の浅さを感じて、僕は使いたくない言葉なのだ。
その実例のひとつに風力発電用風車への鳥の衝突、という問題がある。風力発電に対してまさに「環境にやさしく、エコである」というイメージ作りが先行しているが、発電用風車に激突する鳥はかなりの数にのぼっているのだ。
例えば、2002年以降の調査記録(昨年12月に出された日本野鳥の会のプレリリースに付帯した資料による)2004年以来、オジロワシの衝突事例が11例取り上げられている。いずれも北海道内で起きているものだが、このうちの11番目の事故の発見には僕も関わっている。(未発表の事故例もあり、合計で13例起きている、という説もある)
 風車への衝突が、どれほど凄惨な事故になるか、写真を見てもらいたい。
これらは、2008年10月19日に発見された、釧路管内浜中町の発電用風車に激突したと考えられるオジロワシの死体である。なお、成鳥の衝突事例が明らかになったのは、この事故が最初、と考えられている。さらに事故の起こった時期から、この成鳥が北海道内で繁殖していた個体である可能性が極めて高い、と指摘されている。036s
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